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ほったらかしでよい?評判の『セゾン資産形成の達人ファンド』は危ない?筆者がセゾン投信を辞めた理由をS&P500指数と比較しながら解説!

ほったらかしでよい?評判の『セゾン資産形成の達人ファンド』は危ない?筆者がセゾン投信を辞めた理由をS&P500指数と比較しながら解説!
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資産運用に関心のある方はまずは株式投資、もしくは投資信託を購入することを検討する方が多いのではないでしょうか?

そして投資信託を購入するにあたり、まず出会う商品として、セゾン投信の「セゾン資産形成の達人ファンド」があります。それくらい有名な商品です。

ファンドも宣伝費をかなりかけていると思いますしね。

セゾン資産形成の達人ファンドは「ファンド・オブ・ファンズ」という形式を取っています。

ファンド・オブ・ファンズ」とは、「投資信託に投資する」投資信託です。

一般個人投資家が購入できないような、世界中にある優良投信を選んで購入し、実際に運用してくことが強みです。

今回の記事では、このセゾン資産形成の達人ファンドの仕組みをお伝えした上で今後の見通しについてお伝えしていきたいと思います。

結論からいうと、2024年からセゾン資産形成の達人ファンドに投資をするのは筆者としてはおすすめできません。実際、筆者もセゾン資産形成の達人ファンドには若干投資していましたが、現在は投資を辞めています。

詳しくはリターンの項目からお伝えしていますので、前半のファンドの概要等について興味のない方はジャンプ(クリック)してください。

なぜ、このように考えているのかという点について後半で詳しくお伝えしていきたいと思います。以下の記事ではセゾン投信を含めて安定的に資産を形成していくことに適したファンドを纏めていますのでご覧ください。

それでは本文に移っていきます。

目次

セゾン資産形成の達人ファンドとは?概要を把握しよう!

冒頭でも述べましたが、セゾン資産形成の達人ファンドは「ファンド・オブ・ファンズ」です。

「ファンド・オブ・ファンズ」とはその名の通り投資信託に投資する投資信託です。このセゾン資産形成達人ファンドが購入する投資信託は、基本的に一般投資家では購入できない「機関投資家向け」の商品となります。

個人投資家も組み入れてしまえ、というスタイルを取っているのがセゾン資産形成達人ファンドの特徴ですね。

投資信託という商品は「分散投資」が基本ですが、セゾン資産形成の達人ファンドは「分散投資している投資信託」を分散投資(購入)しています。

分散に分散を重ねているので、それだけリスクが低くなっていることがわかりますね。以下はその分散具合がわかる図表です。

セゾン資産形成の達人ファンドのファンド別投資比率

地域別で見ると、北米43.3%、欧州26.4%、新興国15.6%、日本12.5%とかなり安定志向の運用となっていますね。

現在の世界の株式時価総額では米国が60%を占めているので米国の比率を下げて、他の地域を少しずつ増やしているという状態となります。

セゾン資産形成の達人ファンドの地域別投資比率

世界全体の経済の成長をダイレクトで取り込むことが出来る構成となっております。

すでに投資資本が大きい個人投資家の方であれば検討してみても良いかもしれません。投資先産業も産業も細かく分散していますね。

セゾン資産形成の達人ファンドの受賞歴

セゾン資産形成の達人ファンドはどのような評価になっているのでしょうか?

実績として、直近はトムソン・ロイターリッパー・ファンド・アワード・ジャパン大賞で、3年連続で最優秀ファンド賞を受賞しています。また、R&Iファンド大賞を最優秀ファンド賞を4年連続で受賞しております。

2018年のR&Iファンド大賞
  • 投資信託10年部門
  • 外国株式最優秀ファンド賞
  • 「投資信託部門」の外国株式優秀ファンド賞

と数々の受賞を果たしています。基本的には、信頼のおけるファンドということが出来ます。

セゾン資産形成の達人ファンドはどのようにして投資信託を選んでいるのか?

まずはセゾン資産形成の達人ファンドの理念からみていきましょう。

投資判断は常に理念を軸にして実行しています。

主として、投資信託証券を中心に投資を行い、信託財産の長期的な成長を図ることを 目的として運用を行います。

引用:目論見書

「長期的な成長を測ることを目的として運用を行います」とありますね。

短期的な利益を狙うことなく、セゾン資産形成の達人ファンドは割安な投資信託を常に調査しています。

セゾン資産形成の達人ファンドが目標としているのは「市場アベレージ」ですが、購入する投資信託は「アクティブファンド」なのです。

→ アクティブ運用型とパッシブ運用型の投資信託のどちらが優れているのか徹底比較!インデックス投資は本当に最強なのか?

このアクティブファンドはファンダメンタル分析を重視しており、株価指数などベンチマーク以上の運用成績を目指すことになります。

上記の投資方針に加えて、セゾン資産形成の達人ファンドでは「世界経済全体の成長」を取り込み、世界の株式時価総額に連動することを目指しポートフォリオを組成しています。

上記でも触れましたが、世界の株式時価総額国別ウェイトとセゾン資産形成の達人ファンドの比率を見てみましょう。

MSCI All Country World Indexとセゾン資産形成の達人ファンドの国別構成比率の比較
達人ファンドMSCI All Country World Index
アメリカ43.70%62.10%
日本12.70%5.50%
フランス5.40%3.00%
中国4.90%3.10%
インド4.10%1.50%
スイス3.80%2.50%
オランダ3.70%1.10%
アイルランド3.10%0.20%
イギリス3.00%3.60%
デンマーク2.60%0.70%
その他13.90%16.70%

直近上昇が著しく割高となっている米国株の比率を下げている点からも割安度をベースにある程度銘柄を選択していることが読み取れます。

特に割安度が高い日本をオーバーウェイトしている点からも読み取れますね。

セゾン達人ファンドの手数料

セゾン達人ファンドの取引手数料は以下の通りとなっています。

購入時手数料0%
信託手数料1.35%±0.2%/年(税込/概算)
信託財産保留額0.1%

(引用:セゾン投信

購入時手数料が0%なのは嬉しいですよね。信託手数料は競合のひふみ投信が0.5%ですので高い水準にあります。

信託手数料に変動幅があるのは、セゾン資産形成の達人が購入する投資信託の手数料がそれぞれ異なることが要因です。

チャートからみるセゾン資産形成の達人ファンドの運用実績や利回り

では、本題の運用成績についてみていきましょう。

セゾン資産形成の達人ファンド単体の運用成績(利回り)

以下は2024年9月末までのリターンとなります。

セゾン資産形成の達人ファンドの基準価額の推移

2007年〜2023年の16年間で運用成績としては資産を4倍にしています。2020年のコロナショック後も、世界の株高にしっかり乗って純資産額を増やしていますね。

まだリターンが出ていない時期にリーマンショックに被弾しているので、これはとても幸運だったとも言えるでしょう。

その後の米国株式市場は緩和、緩和、緩和で異次元な株高となりましたのでタイミングとしてはここ100年でベストと言える投資開始時期です。

ただ、直近のコロナバブル以降の成績として、2022年のリターンは△9.55%となっています。

値動きの荒さを意味する投資におけるリスクである標準偏差が大きいのが気がかりですね。

スクロールできます
1年3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン7.38%17.53%9.70%11.83%
標準偏差12.1414.4317.5016.08
シャープレシオ0.611.220.550.74

10年の年率リターン11.83%と標準偏差16.08から考える今後1年の確率毎のリターンの分布は以下となります。

今後1年の確率毎のリターンの分布

【68.3%の確率】

▲4.25%(=リターン11.83%-リスク16.08% )

+27.91%(=リターン11.83%+リスク16.08%)

【95.4%の確率】

▲20.33%(=リターン11.83%-リスク16.08%×2 )

+43.99%(=リターン11.83%+リスク16.08%×2 )

【99.7%の確率】

▲36.41%(=リターン11.83%-リスク16.08%×3 )

+60.07%(=リターン13.01%+リスク16.26%×3 )

40%近い暴落は覚悟しておく必要があります。

S&P500指数や全世界株式インデックスと比較

セゾン資産形成の達人ファンドは市場平均に対してプラスのリターンを組み入れているアクティブ型の投資信託です。

そのため、中心をしめる米国のインデックスであるS&P500指数や全世界の株式の平均のリターンに対してアウトパフォームしているかどうかが重要になります。

以下はS&P500指数(円建)と円建の全世界の株式時価総額加重平均指数に連動するeMAXIS全世界株式インデックスとセゾン資産形成の達人ファンドの比較です。

青:セゾン資産形成の達人ファンド
赤:S&P500指数(円建)
緑:eMAXIS全世界株式

セゾン資産形成の達人ファンドのリターンをS&P500指数とeMAXIS全世界株式インデックスファンドと比較

一見すると優秀に見えるセゾン資産形成の達人ファンドも結局はインデックスに負けているのです。

2022年は世界的に株式が下落しましたが、円安が進んだことで下落を免れています。(後でお伝えしますが、これは今後の代償となってきます。)

インデックスに対してプラスのリターンを目指すアクティブ投信としての投資妙味はないということになります。

次の項目でこれに加えて筆者がセゾン資産形成の達人ファンドを解約した理由についてお伝えしていきたいと思います。

10年後も大丈夫?セゾン資産形成の達人ファンドの今後の見通し!筆者が購入検討をやめた理由とは?

先ほどまで見てきたとおり結局のところ、セゾン資産形成の達人ファンドは全世界の株式と同様の動きをし劣後した成績となっていることが分かります。

つまり、今後の世界の株式市場の動向を予想することでセゾン資産形成の達人ファンドの今後を予想することができます。

まずは、現在2024年10月、全世界がどのような状況かおさらいする必要があります。コロナが蔓延した2020年以降、米国をはじめとして全世界で国民と企業を救済するために大規模な金融緩和を行いました。

米国では金利をゼロに引き下げた上で、大量にドルを刷って国民にばら撒きました。

結果としてジャブジャブの資金が株式市場に流入して世界的な株高を招きました。この状況が2021年末まで継続しました。以下は2021年末までの全世界の株式市場の動きです。

2021年末までの全世界の株式市場の高騰

しかし、2021年末から状況が一変します。多いモノの価値というのは希釈化していくのが世の常です。これは通貨についても同じことがいえます。

通貨の流通量が増大すれば通貨の価値が下落します。つまり相対的にモノやサービスの価格が上昇するインフレが発生します。

更に、ウクライナ危機やコロナの世界的な蔓延によってサプライチェーンに問題が発生してインフレが発生しました。

インフレが発生すると国民生活が困窮します。日本でもインフレが発生していますが米国や欧州では日本の3倍から4倍のインフレが発生していきました。

各刻の中央銀行は健全な成長を促すためにインフレ率を2%で安定させることを目標としています。しかし、米国では2022年8月に9%を超えるインフレが発生しており40年ぶりの水準となっていたのです。

インフレは何波にもわたって押し寄せる

2024年10月現在は下がっているように見えますが、実態はエネルギー価格の下落によってインフレ率が低下しているようにみえるだけです。

インフレの核となっているサービスインフレは依然として根強く残っています。

今後、中東情勢の悪化や長期化、サウジアラビアなどの原油の減産の報道がでてくるとエネルギー価格も上昇していくインフレ2波を迎える確度がたかまっているのです。

各国の中央銀行は景気を冷ましてインフレをおさえるために金融緩和から金融引き締めに転じています。しかも、40年ぶりの高インフレに対応するため、かつてないスピードでの金融引き締めを余儀なくされました。

米国の中央銀行のFRBは金利を急速に引き上げるだけでなく、発行してドルを吸収するバランスシート引き締めも実行しています。

2024年10月現在インフレは2%まで下落していますが粘着性のあるインフレ率は高止まりしており、いつインフレが再燃してもおかしくない状況となっています。

粘着性のあるインフレ項目は高止まり

更に金融引き締めを実行していった結果、世界的に景気後退となることが確定的な状況になっています。

高インフレと高金利は確実に経済に打撃を加えているのです。

世界景気の先行指標は暴落

景気後退となると企業収益も当然しぼむので株価に対しては下押し圧力になります。

現在の株式市場の下落はまだまだ道半ばという状況になります。そして、景気後退が深刻化すると再び金融緩和を行い、インフレ第二波を誘発していきます。

実際、現在と同じインフレが発生した1970年代は3回にわたりインフレが発生して、そのたび2022年と同様の事象がおこり10年間の株式投資のリターンはゼロになりました。

以下は1970年代の全世界株式のチャートです。

1970年代の米国株価指数の推移

つまり、全世界の株式市場の動きに連動するセゾン資産形成の達人ファンドもしばらく厳しいということが想定されます。

更に現在は2022年以降進んだ円安によって支えられている状況です。ここから景気後退がくれば米金利は低下して日米金利差が縮小してドル円も下落していきます。

すると、株安と円高のダブルパンチで大きな痛手を被ることになります。非常に難しい局面ということです。

自分で運用するというのは、本当に大変で、インデックスファンドは確実に大丈夫、などという戯言もよく聞きますが、全然大丈夫ではありません。

米国株が暴落して戻らなかったらどうするのかをもう少し真剣に考えるべきだと思います。

投信を選ぶのも、自分で運用するのと変わりません。本当に簡単ではないのです。筆者と同じように、もっとリスクを避ける方法を取るべきです。

今後の円高調整リスクにも注意をはらおう!

今までは日米金利差に連動する形で円安が進展してきました。この円安が円建で見た時のリターンをカサ増ししてきました。実態は円の価値が下がっているだけなのですが。。

しかし、今後さきほどお伝えした通り、米国で景気後退が発生すると米金利が低下します。すると日米金利差は縮小します。

実際、ドル円は162円をつけたあと、米国の景気後退と日本の金利上昇によって140円台まで円高調整がすすんでいます。

ドル円は日米金利差と連動
ドル円は日米金利差と連動

いままで円安によってカサ増ししていたリターンが剥落することになるのです。景気後退局面で株安、円高によりダブルパンチを喰らう可能性については頭に留めておきましょう。

相場環境に左右されない選択肢を検討しよう

株式市場に連動する動きを行う投資信託やETFは世界の動きに大きく影響を受けます。株式市場全体が下落する局面では、大きな下落に見舞われてしまいます。

株式市場は上昇するときはゆっくりですが、下落するときは急落していきます。そのため一時的に50%程度の資産を失う結果になることを覚悟する必要があります。

自分の資産が半減する結果に耐えきれず損切りをしたあとに上昇に転じたという話はよく聞きます。

しかし、これは人間心理からすると致し方ないことです。

長期的に大きな資産を構築するためには暴落に巻き込まれずに右肩上がりのチャートを描く選択肢を検討するべきだと考えます。

図にすると以下のようなチャートですね。

BMキャピタルの運用成績のイメージ

このような投資先として筆者が推薦するのがヘッジファンドです。

ヘッジファンドは下落局面を免れて右肩上がりのリターンを実現しており、欧米の富裕層や機関投資家から選好されています。実際、ヘッジファンド全体のチャートと全世界株式のチャートを比較したものが以下となります。

ヘッジファンドは下落を抑制しながら市場平均より高いリターン

ヘッジファンドは欧米では機関投資家しか受け入れていなものも多く、なかなか個人投資家ではアクセスできないものが多くなっています。

しかし、個人投資家でも投資できる魅力的なファンドも確かに存在しています。

以下では日本人の個人投資家もアクセス可能なヘッジファンドについてまとめていますので参考にしていただければと思います。

セゾン資産形成の達人ファンドのまとめ

ここまでセゾン資産形成の達人ファンドを紹介してきました。

世界の株式に分散投資をしてアクティブリターン獲得を狙っていますが、殆ど平均的な成績に終わってしまっています。。

そして、2024年後半以降は米国株式市場に暗雲が立ち込めています。1000万円以上のまとまった資金がある人は、ヘッジファンドなどを活用して暴落を回避しながらリターン獲得を狙っていきましょう。

最後に:

 

 

私がファンドを選ぶ際に気をつけていることは、「長期で明確な戦略を実行し」、「確かなリターンをあげている」「経歴、実績共に優秀なファンドマネジャーが運用しているかどうか」、これだけです。

短期間における投資ファンドのハイリターン実績は全て無視しています。真に勝率が高い投資家は長期でみると、ピカピカな運用実績に収束します。

しかし、短期は短期。ただの運である可能性が高く、ファンドの本当の実力を測れるものではありません。

日々の膨大なニュースに翻弄され、株価の上げ下げで感情的に取引してしまう個人投資家が日本には溢れています。

しかし、投資とは自身の得意とする、勝率の高い戦略を見つけ、愚直に実行するだけなのです。これには膨大な作業量(決算読み込み、市場調査など)と強い精神力を必要とします。

このように、本当は投資とはシンプルでつまらないものです。

投信やヘッジファンドを選ぶ際は、この投資の考え方、哲学をしっかり持っているファンドマネジャーが在籍するファンドを選びましょう。それだけで大損することはまずありませんし、周囲の人が驚くようなリターンを自身があげていることに気づくはずです。リターンの差とはこの思考、また投資とは何かを知っているかどうかで大きく変わります。

勝率の高い投資戦略を愚直に実行しているファンドマネジャーが在籍するファンドを私の目でも選んでいますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

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