2010年代は新興国にとって苦境の10年間でした。株価は低迷しましたが確実に経済成長を実現し世界経済に占める比率は既に6割となってきています。にも関わらず時価総額は世界全体の1割強と過小評価されています。
2020年からの10年間は遅れを取り戻すような動きを見せることが想定されます。そして、その中で最も期待されるのが新興国の雄である中国です。中国は、あのヘッジファンドの帝王、レイダリオ氏が米国の次に世界の覇権を取る国としています。
そして、世界一のヘッジファンドであるブリッジウォーター社も中国における運用資産が倍増しています。
[香港/上海 10日 ロイター] – 米ヘッジファンド運用会社ブリッジウォーターが中国の運用資産を過去1年間で200億元(29億3000万ドル)に倍増させたことが、関係筋の話や公式データで明らかになった。中国で最大の外資系ヘッジファンドとしての地位を盤石にしつつある。
同社最初の中国ファンドは、2018年10月の設立後の4年間で、年率15.6%のリターンを達成。21年12月に立ち上げた別のファンドは、22年12月までの期間で8.4%の純リターンを実現したと、関係筋は語った。中国の主要株価指数であるCSI300指数は昨年、20%余り下げた。
中国は高い成長率を誇るにも関わらず、株価が著しく割安に評価されてきました。長期的にみると株価は適正な価格に修正されます。2023年以降は更に金融緩和を行なっているのも大きな追い風となっています。
実際、2023年7月の最新データでブリッジウォーターに限らず海外のヘッジファンドも中国株に殺到しているというデータが示されています。
中国は米国と比するレベルでテクノロジーが進展してきており、まさに今本格的に飛翔の時を迎えようとしています。
今回は今後も株式市場の上昇が期待できる中国市場に先駆けて投資を行い、すでにアクティブリターンを叩き出している国内ヘッジファンド「オリエントマネジメント」について紹介していきたいと思います。
中国当局も量的緩和を実施して株価引き上げにテコ入れを行う構えをみせていますし、今後相場が上向きになった時にどれほど高いリターンをだしてくれるか楽しみなところですね。
オリエントマネジメント | 上海総合指数 | 香港ハンセン指数 | |
---|---|---|---|
2021年下半期 (6月〜12月) | 10.84% | 0.42% | -21.30% |
2022年通年 (1月〜12月) | 5.70% | -14.20% | -10.08% |
2023年通年 (1月〜12月) | 13.03% | -4.95% | -16.66% |
2024年10月迄 (1月-10月) | 33.83% | 10.72% | -24.79% |
平均リターン | 年率77.20% | -4.69% | -28.80% |
累積リターン | 18.90% | -1.44% | -9.78% |
経済成長率に対して明らかに割安に評価されている
まず、中国株は特に割安に放置されているという点が挙げられます。以下は日経平均と上海総合指数の値動きです。
日経平均がアベノミクスによって10年間で4倍に上昇したのに対して、GDP成長が著しい中国株はわずか45%しか上昇していないという状況になっています。
経済成長率は以下の通り殆ど0%成長の日本に比べて、徐々に安定してきているとはいえコロナショックを除けば中国は6%以上の高成長を維持しています。
2009年に日本を抜いてGDPで世界2位になってから15年間で既に日本の4倍の経済規模になっているのです。
明らかに中国株は実力に比して過少評価されているのがわかります。日本よりは成長している米国と比べても高成長を実現しているにも関わらず、米国のS&P500指数に大幅に劣後しています。
株式市場は短期的には過少評価されることはありますが、長期的には適正価値に収斂していきます。このアンダーバリューが解消するだけでも中国株には大きなチャンスが転がっているのです。
実際、割安指標として広く活用されているPERで、中国は他の国と比較して非常に低い状態となっています。
中国の下にあるインドのPERは30倍を超える割高水準となっています。インドはわかりやすい成長国ですから、明らかに割高ですね。わかりやすいものほど早く高くなります。
コラム:拡大しつづける中国の株式市場
中国の証券市場は近年急速に拡大しています。2020年末時点で7兆ドルにせまる水準に伸びています。
新興国の中では圧倒的ですね。更に、長らく世界第2位の証券市場であった東京証券取引所に並ぶ水準にまで急拡大しています。上海と香港を加えると既に東京証券取引所を上回るレベルになっています。
しかし、既に中国は日本の3倍のGDPを有する超大国になっています。経済規模から考えると今後さらに伸びていくことが容易に想像できますね。
中国は米国に次いでイノベーションが起きている!
この項目は中国の発展についてお伝えしたコラム的なものなので、あまり興味のない方は次の項目にジャンプしてください。
中国といえば新興国、遅れているイメージを未だに持っている方もいらっしゃると思いますが、それは認識を改める必要があります。
筆者自身中国を侮っていたのですが、昨年深圳を訪れた時驚愕しました。街中でドローンが飛んでいますし、まるで夜はプロジェクションマッピングのように鮮やかで近未来にきている印象をうけました。
では実際に中国がどれほどテクノロジー国家に成長しているかを見てきましょう。
BATHはGAFAMに対抗しうる巨大企業となっている
米国の巨大ハイテク企業としてGAFAMが現在世界を席巻しています。
G:Google
A:Apple
F:Facebook
A:Amazon
M:Microsoft
一方、中国にも巨大なBATHという企業群が存在しています。
B:Baidu(百度)
A:Alibaba
T:Tencent
H:Huawei
それぞれのデータを比較したものが以下となります。
2024年3月時点 | 売上 (百万ドル) | 純利益 (百万ドル) | 時価総額 (百万ドル) | PER |
---|---|---|---|---|
182,527 | 40,269 | 1,391,882 | 35.7 | |
Apple | 274,515 | 67,091 | 2,048,457 | 33.6 |
85,965 | 29,146 | 808,112 | 28.1 | |
Amazon | 386,064 | 21,331 | 1,552,692 | 75.0 |
Microsoft | 143,015 | 44,281 | 1,753,113 | 35.3 |
Baidu | 16,472 | 3,457 | 90,589 | 26.8 |
Alibaba | 78,417 | 22,989 | 646,468 | 26.4 |
Tencent | 58,044 | 14,355 | 791,110 | 41.6 |
Huawei | 132,123 | 9,646 | 169,230 | 17.5 |
まだまだGAFAMには追いつけてはいませんが、売上高や利益の成長率はBATHが圧倒しています。いつかGAFAMに比肩するレベルに成長していくと考えています。
電気自動車(EV)やドローンでも米国に対抗
持続可能な世界を目指すSDGsの進展によって2020年移行電気自動車に注目が集まっています。米国企業のテスラがトヨタの時価総額を抜き自動車産業でトップになったことが注目を集めました。
クリーンエネルギーの熱は中国でも湧き起こりました。中国は実はEV先進国でNIOを筆頭として2020年に株価は急騰しました。
中国の電気自動車(EV)メーカーの時価総額が急拡大している。国家を挙げたグリーンエネルギー目標に加え、米EVメーカーの テスラ の驚異的な株価急騰の再現を期待する個人投資家の存在が背景にある。
ファクトセットによると、EV専門メーカーの蔚来汽車(NIO)の米国預託証券(ADR)は今年に入り約11倍に跳ね上がり、16日時点で時価総額は700億ドル(約7兆2200億円)弱に達している。香港では著名投資家ウォーレン・バフェット氏が出資する電池・自動車メーカー、比亜迪(BYD)が4倍余りに上昇し、時価総額は690億ドルとなっている。
各社はこうした急騰によって、 ゼネラル・モーターズ (GM)や フォード・モーター など従来型の自動車大手と肩を並べるまでになった。GMの時価総額は590億ドル、フォードは360億ドルだ。
またドローンの分野でも中国は世界を凌駕しています。特に深圳からスタートしたDJI社は現在ではドローンの世界シェアの約70%を占める巨大企業に発展しています。
そのほかにもEHANGやYuneecなどドローン会社が次々と興り世界市場を席巻しています。
最先端のテクノロジーを先取りしている中国は最早技術大国というレベルにのし上がっているのです。
更に最近は5G分野で覇権を握るべく投資金額を増加させています。
今まさに中国株が飛翔する刻と考える理由
新興国には株価が高騰する水準が存在します。例えば日本の日経平均株価の値動きをご覧ください。
株価が本格的に急上昇しているのは1980年代に入ってからです。当時の日本の1人あたりGDPの水準は10,000ドルという水準でした。
一人当たりGDPとは言い換えると所得水準です。所得が1万ドルつまり100万円未満の国では生活するのに必死です。つまり、国民が株式投資をする余裕なんてありません。
しかし1万ドルを超えると所得の伸びが加速し、自国民が投資をする余裕が出てくるのです。すると、ここがチャンスとばかりに株価が暴騰する環境が整うのです。
そして、今まさに中国が1人あたりGDP1万ドルの水準を超えるフェーズに差し掛かっているのです。
今まで低迷していた株価の再評価が行われる素地が整い、今まさに中国株が本格的な上昇をしていく環境が整ったといえるでしょう。
そして特筆すべきは中国が金融緩和を始めたことです。アベノミクスで株価が大きく上昇したことは記憶に新しいですが、その株価上昇の原動力になったのは日銀による金融緩和です。
パンデミックで米国株が急騰したのも大規模緩和を実施したからにほかなりません。2024年9月現在、中国は利下げを継続しています。
さらに重要なのは直接的なバラマキを開始しようとしているところです。以下のとおり、まず中国当局は以下の通り銀行に資本注入を行うとしています。
中国はトップクラスの国有銀行に最大1兆元(約20兆6200億円)の資本注入を行うことを検討している。低迷する景気の下支えが狙いだ。事情に詳しい関係者が明らかにした。
2008年の世界金融危機以後、中国政府が大手行に資本を注入するのは初めて。中国は経済の活性化を狙い、住宅ローン金利の大幅引き下げや主要政策金利の引き下げを実施した。上位6行の自己資本比率は要件を大幅に上回っているが、当局は銀行への資本注入を急いでいる。
銀行に資本注入を行うことで融資による信用創造で実態経済にマネーがまわりますし、企業の利益も上昇していき株価にもプラスの影響がでてきます。
さらに直接的に財政出動を行う構えも見せています。42兆円は巨額で期待できますね。
世界2位の経済大国である中国が景気を下支えし、信頼性を高めるため、最大2兆元(約42兆円)規模の新たな財政刺激策を打ち出す可能性があると、投資家やアナリストはみている。
参照:Bloomberg(2024/10/11)
今、まさに中国でアベノミクスが始まろうとしているのです。2012年の日本に戻れば日本株に全力で投資しますよね。12年間で4倍になっていますからね。
そして、どうせ投資をするなら魅力的な投資先に投資をしたほうがよいです。最も期待きでいる株式市場に最良の選択肢で臨みたいところです。
その投資先として筆者が期待して、実際に多くの資金を入れているのがオリエントマネジメントです。
超有望中国株ファンド「オリエントマネジメント」とは?
それでは本題であるオリエントマネジメントの魅力についてお伝えしていきます。
圧倒的な超過リターンを叩き出している
まず、一番重要なリターンについてお伝えします。
オリエントマネジメントは2021年6月から運用開始となりましたが2024年10月までの間で以下のリターンを叩き出しています。
中国株がゼロコロナ政策の失敗などによって大きく傷んでいるなかで50%近いリターンをだしているのは大変素晴らしいですね。
下落局面でもリターンを残しておりヘッジファンドの特徴を見事に有していますね。
オリエントマネジメント | 上海総合指数 | 香港ハンセン指数 | |
---|---|---|---|
2021年下半期 (6月〜12月) | 10.84% | 0.42% | -21.30% |
2022年通年 (1月〜12月) | 5.70% | -14.20% | -10.08% |
2023年通年 (1月〜12月) | 13.03% | -4.95% | -16.66% |
2024年10月迄 (1月-10月) | 33.83% | 10.72% | -24.79% |
平均リターン | 年率77.20% | -4.69% | -28.80% |
累積リターン | 18.90% | -1.44% | -9.78% |
下落相場でも高いリターンをだしているオリエントマネジメントが上昇相場でどれだけ高いリターンをだせるか楽しみなところです。
ファンドマネジャーは新興国投資で十分な実績
オリエントマネジメントのファンドマネジャーは東京大学出身で外資系金融で実績を積んだ後に独立しています。
オリエントマネジメントをたちあげるまでは別の新興国ファンドを運営しており、2018年から2023年で平均すると年率70%のリターンをだし基準価額を14倍に引き上げています。
そのファンドマネジャーがこれからの時代は中国株であると考えてオリエントマネジメントを立ち上げました。
バブルを見極める選球眼に優れており、今後の中国に大きな期待を寄せていることが分かりますね。バブル相場で大きなリターンを期待することができますね。
ファンドマネジャーは現地で情報収集を行なっている
筆者は中国株について個別株の分析をするのは非常に難しいと考えています。
なぜなら自分が日本にいるため、どのサービスが魅力的なのかという一番大切なことを体感することができないためです。やはり、個別株投資は現地にいることが一番の強みとなります。
例えば、日本で「かつや」が美味しいと話題になり、運営する「アークランドサービス」が10倍になったことは有名な話です。
もし、米国や中国に在住していたら決して投資することなんてできないですよね。やはり現地に実際に触れていないと本当に魅力的な銘柄というのは見つけられないのです。
日本の中国株を運用している投資信託もファンドマネージャーは日本にいます。そのため、本当に旬の中国株に投資できているかは疑問です。
オリエントマネジメントはファンドマネージャーは香港とシンガポールに拠点を置き現地の情報を収集しています。
シンガポールは華僑が多く存在しており、中国の富裕層からの話もきけるネットワークが発展している場所ですし、香港は言わずと知れた中国の中心的な金融センターです。
オリエントマネジメントのファンドマネージャーは日本株や新興国株で10年程度の実績があり、合計100億円以上の資産を運用している実績があります。
今後、伸びる可能性が高い中国株に効果的に投資する先として最も有効な選択肢だと考え投資を実行しています。
コラム:中国の民間企業には多大な投資機会が広がっている
一言に中国企業といっても国有企業と民間企業があります。以下は国有企業と民間企業の株価の比較です。
青:民間企業
黒:国有企業
国有企業は生産性の向上が非効率で株価が上昇していませんが、民間企業の株価は上昇しています。
現在は一時的に凹んでいますが、逆をいうと割安に仕込む好機が訪れているとみることができるのです。
中国の民間企業には多大な投資機会が広がっているとみることができるでしょう。
配当利回り10%超えの企業に投資!?オリエントマネジメントの投資事例を紹介!
オリエントマネジメントが実際にどのような銘柄に投資をしているのかもお伝えしていきたいと思います。
神華能源 (上海A 501088、香港 1088)
神華能源は石炭の生産、販売、輸送、発電を手がける総合エネルギー会社で、内モンゴル等に炭鉱を保有し石炭生産量は世界最大規模の企業です。
投資を実行した時点の株式情報は以下となります。
時価総額 | 約6億6000億円 |
株価(上海A市場) | CNY 19.58 |
株価(香港市場) | CNY 13.55 |
PER(H株) | 7.2倍 |
PBR(H株) | 0.9倍 |
配当利回り(H株) | 13.1% |
中国の銘柄の中には上海市場(A株)と香港市場(H株)に二重上場している銘柄が数多くあります。神華能源もその一つです。
香港市場に上場されている分が、上海市場に比べて40%ほど割安なので香港市場に上場しているH株に投資したとしています。
そして注目すべきは割安指標ですね。PER7倍はかなり割安ですし、特筆すべきは配当利回りが13%ということです。
配当利回りが高いと株価が下落すると更に配当利回りが高くなるので買いが入りやすくなります。
つまり、下落する可能性を抑えられるのです。オリエントマネジメントは以下のポイントで投資を行い、株価値上がり益と配当益を二重で獲得しています。
新華文軒 (上海A 601811、香港 0811)
教科書や教材などを販売する流通事業と書籍・定期刊行物の出版事業が柱。音楽・映像作品やデジタル出版物も発行している企業です。
投資を実行した時点の株式情報は以下となります。
時価総額 | 1199億円 |
株価(上海A市場) | CNY 8.42 |
株価(香港市場) | CNY 4.73 |
PER(H株) | 5.7倍 |
PBR(H株) | 0.7倍 |
配当利回り(H株) | 6.5% |
A株とH株に1.8倍の差があったのでH株に投資をしたとしています。PERは5.7倍、PBRは0.7倍と著しく割安ですね。
投資した時からの株価推移は以下です。6.5%の配当金と株価値上がり益の両方が取れています。
まとめ
今回のポイントは以下となります。
- 中国の株価はアンダーバリューされている
- 今後まさに株価があがる水準になっている
- 既に米国につぐハイテク大国になっている
- 現地に根ざした情報を得られることが重要
- 運用開始から3年間で中国株が下落局面であっても50%ものリターンを叩き出している
- 拠点が中華圏にあり十分な実績を備えたファンドマネージャーによって運用
- 2024年中盤で千載一遇のチャンスが訪れている
- 高配当かつ割安な銘柄の適切な時期に投資を行いアクティブリターンを作っている