ヘッジファンドを調査していると、「ヘッジファンド証券」という会社を度々目にします。
ヘッジファンド投資に興味のある方は、ヘッジファンド証券が提供しているサービスに興味があると思いますので、今回筆者の方で調べてみました。
ヘッジファンド証券の触れ込みは「1,000万円からのヘッジファンド運用」となっている
ヘッジファンド証券のHPを訪れると、1,000万円からのヘッジファンド運用との触れ込みがなされています。
近年は日本でもヘッジファンド運用が徐々にその知名度を上げており、1,000万円からヘッジファンド運用をしている富裕層の方も増えてきましたよね。
ヘッジファンド証券の触れ込みからして、1,000万円を最低出資にヘッジファンドを運用できそうな様子が伺えます。
まずは会社概要から順に確認していきましょう。
ヘッジファンド証券とは?
企業概要は以下の通りです。
会社名 | ヘッジファンド証券 |
設立年月日 | 2010年6月9日 |
代表取締役 | 植頭隆道 |
本社所在地 | 〒 105-6925 東京都港区虎ノ門4丁目1番1号 神谷町トラストタワー25階 |
連絡先 | TEL:03-6432-0046 FAX:03-6432-0047 |
資本金 | 16,505万円 |
業務内容 | ヘッジファンド」の取り扱いに特化した証券会社 |
紹介ファンド | マーケット・ニュートラル運用を行なっているファンド |
HPで過去の取り扱いファンドの運用実績は2011年から2022年3月までで+187%としています。
これはつまり、年利回り6%くらいですね。少し物足りない利回りとなります。
住所は神谷町トラストタワーとなっています。
ヘッジファンド証券の運用哲学
ヘッジファンド投資については、アジア通貨危機やドラマ「ハゲタカ」などが話題になったことを背景に「派手なリターン」のイメージが日本では蔓延しています。
しかし、実際は堅実な投資であることをヘッジファンド証券の代表取締役の方も仰っています。
私は、富裕層もしくは資産10億円を超えるような超富裕層を対象に資産運用のアドバイスを行ってきました。多額の資産を保有している人ほど、大儲けを狙ってバクチに出るよりも、着実に、堅実に資産を守りながら運用をした方が良いと思っており、常にそのようなご提案をさせていただいてきました。
安定して利益を上げ続けるためには、リスクへの備えを十分にすることが肝心で、リスクを常に把握し、回避(ヘッジ)する投資戦略が必要となります。もちろん、総資産額や収入の状況、あるいは年齢によって、とるべきリスク、とってはいけないリスクは様々ですが、不動産や株式などに集中して投資をするだけでなく、資産にヘッジファンドを組み入れることによって、万が一の大損を防ぐことにつながるのです。
ヘッジファンドというと、なんとなく危ない、怖いといったイメージをお持ちの人も多いかもしれません。確かに、世の中にはハイリスク・ハイリターンな運用手法のヘッジファンドも存在しますが、当社にてご案内しているヘッジファンドは、リスクを抑えながらも、安定的なリターンを期待できる運用戦略を採用しているものになります。
この運用哲学には筆者も大変共感します。
資産運用とは大儲けを狙えば狙うほどに失敗します。寧ろ、小さくても損を出さずにプラスを積み重ねていく複利運用こそ遠くへいけるものだと確信しています。
欧米ではヘッジファンドは非常に堅実な運用先であり、イェール大学のポートフォリオにもヘッジファンドは20%を超える運用先となっています。
ヘッジファンド証券の取り扱い運用会社とは?
現在の取り扱いヘッジファンドは公開されていません。最低投資金額1,000万円を前提に問い合わせをする必要があります。
以前に取扱していたのはエピック・パートナーズ・インベストメンツ株式会社が運用するヘッジファンドでした。
エピックの代表取締役は武英松氏です。
元は日興証券の運用開発部出身です。
実際に取り扱っていたのは「エピック・ヘッジファンド・セレクション1」でしたが、この商品は設定来マイナスで2019年3月に償還しました。
エピック・ヘッジファンド・セレクション1はケイマン諸島籍の私募ファンドです。
直接投資する場合は最低出資額が2000万円でしたが、ヘッジファンド証券を通すことで(ファンズ・オブ・ファンズ)最低出資額が100万円となっていました。
運用成績は以下で3年連続でマイナスでした。
2018年 | |
1月 | 0.35% |
2月 | -1.02% |
3月 | -0.98% |
4月 | |
5月 | |
6月 | |
7月 | |
8月 | |
9月 | |
10月 | |
11月 | |
12月 | |
年初来 | -1.64% |
2017年 | |
1月 | 1.12% |
2月 | -0.65% |
3月 | -0.70% |
4月 | -0.74% |
5月 | 0.89% |
6月 | 0.15% |
7月 | 0.02% |
8月 | -0.24% |
9月 | 0.32% |
10月 | -0.08% |
11月 | -0.41% |
12月 | -0.31% |
年初来 | -0.65% |
2016年 | |
1月 | -0.65% |
2月 | -0.67% |
3月 | 2.02% |
4月 | -0.04% |
5月 | -0.75% |
6月 | -0.70% |
7月 | -1.11% |
8月 | -0.13% |
9月 | 0.67% |
10月 | -0.58% |
11月 | -0.66% |
12月 | -0.29% |
年初来 | -2.90% |
ヘッジファンド証券が取扱うファンドの情報が他になかったので、11年で+187%のリターンの根拠は面談してみないとわからないですね。
現在取り扱っているファンドは以前と同様エピック・パートナーズ・インベストメンツの運用(エピック・バリアント・ファンド)になるとの情報も散見されますが、上記のファンドのリターンを見た限りだと期待薄なのかもしれません。
実際に面談に言って聞いた方が良いでしょう。同社の運用の場合はマーケットニュートラル運用になるはずです。
マーケットニュートラル運用とは?
「マーケット・ニュートラル戦略」とは、投資家または投資マネージャーが行う投資戦略の一種で、ある特定の形態の市場リスクを完全に回避しながら、1つまたは複数の市場の価格の上昇と下落の両方から利益を得ることを目指すものです。
マーケットニュートラル戦略は、多くの場合、異なる銘柄でロングとショートのポジションを取り、優れた銘柄選択から得られる利益を増やし、市場の幅広い動きから得られる利益を減らすことで達成されます。
マーケットニュートラル戦略とは、多くの場合、異なる銘柄のロングとショートのポジションをマッチングさせることで、優れた銘柄選択によるリターンを増やし、市場の幅広い動きによるリターンを減らすものです。
国内老舗ファンドのBMキャピタルと比較すると?
BMキャピタルは国内で老舗ファンドとして有名ですが、ヘッジファンド証券と同様、約10年ほどの運用実績があります。
BMキャピタルが年平均利回り+10%程度で運用をする中で、ヘッジファンド証券が取り扱っていたファンドの一つが年利回り6%程度、また最近まで公開されていたファンドはマイナスリターンで償還しています。
現在ヘッジファンド証券が提携しているヘッジファンドの運用成果はわかりませんが、過去の実績を見る限りでは現時点ではBMキャピタルに軍配が上がるでしょう。
BMキャピタルなども含めた、おすすめのヘッジファンドについては以下の記事でまとめていますので参考にしてみてください。
【2024年版】国内優良ヘッジファンドをおすすめ順にランキングにして紹介!
まとめ
ヘッジファンド証券について紹介してきました。
世の中には様々な金融商品がありますが、知らなくて損する、選定基準を誤り損する、といったことを避け、長期で着実に資産を築いていきましょう。