GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(愛称:nextWIN)を取り上げます。
前回GSシリーズのネットウィンについても分析しましたが、今回はどうでしょうか。
→【ネットウィン】どこまで上がる?掲示板で評判のnetWIN GSテクノロジー株式ファンドを今後の見通しを含めて徹底評価!
ゴールドマン・サックス証券、といえば泣く子も黙る米国のトップ金融機関ですね。
日本オフィスも六本木の森ビルに入っており、東大生を始めとした金融志望のエリート学生が就職活動で必ず受ける企業ですね。
そんなゴールドマンサックス証券が提供する投資信託は実際に良いリターンが出せているのかを解析していきます。
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GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズ(愛称:nextWIN)の概要
それではゴールドマンサックスが提供する投資信託、ネクストウィンについて大枠を捉えましょう。
テクノロジー企業に特化した投資先
目論見書によると、以下の通りとなっています。
日本を含む世界の株式を実質的な主要投資対象とし、主としてテク ノロジーの活用または発展により恩恵を受け、将来のリーダーにな ると期待される企業の株式に投資します。投資対象には中小型株式 および新興国株式も含まれます。
ネットウィンに関しては米国のテクノロジー企業がメインでしたが、ネクストウィンは日本含む世界のテクノロジー企業が対象となっています。
組み入れ銘柄は後続で見ていきます。
ここでいうテクノロジー企業とは、将来のリーダーになると期待される企業と定義されています。
例えば今でいうテスラや、10年前くらいのグーグルやアマゾン、アップルなどが当たるでしょう。
しかし、そんな株を見つけるのは至難ですが、ゴールドマンサックスのアセットマネジメントチームであればその目利きがあるということだと思います。
ネクストウィンの組み入れ上位銘柄
2024年10月31日時点の組み入れ銘柄は以下となります。
銘柄名 | 国 | 業種(セクター) | 比率 |
マーベル・テクノロジー | 米国 | 情報技術 | 3.90% |
アップラビン | 米国 | 情報技術 | 3.90% |
モトローラ・ソリューションズ | 米国 | 情報技術 | 2.60% |
フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ | 米国 | 金融 | 2.60% |
メルカドリブレ | ブラジル | 一般消費財・サービス | 2.60% |
ダイナトレース | 米国 | 情報技術 | 2.60% |
アドバンテスト | 日本 | 情報技術 | 2.50% |
ケイデンス・デザイン・システムズ | 米国 | 情報技術 | 2.30% |
クラウドストライク・ホールディングス | 米国 | 情報技術 | 2.30% |
データドッグ | 米国 | 情報技術 | 2.30% |
世界のテクノロジー企業というだけあって米国だけでなくブラジルや日本などの企業も組み入れています。
ポートフォリオは全てテクノロジー企業であり、2022年より米国はFRBが金融引き締めを行っているので株価暴落が直撃しているかと思われます。
1位のマーベル・テクノロジーは半導体やクラウドコンピューティングなどの分野で事業を展開しているアメリカの企業です。
データセンターなどにおいて使用されるSSD向けの半導体に強みを持っています。株価は堅調ですね。
2022年は暴落していましたが、AIブームに乗り、回復中です。
以下は昨年末からの構成上位銘柄の推移です。半分程度銘柄が入れ替わっていますね。グロース株は株価の値動きも激しいので順位変動も激しいのです。
No. | 2024年10月末 | 2024年1月末 | 2023年10月末 | 2023年7月末 | 2023年4月末 | 2022年12月末 | 2022年9月末 |
1 | マーベル・テクノロジー | マーベル・テクノロジー | モトローラ・ソリューションズ | マーベル・テクノロジー | モトローラ・ソリューションズ | キンディー・インターナショナル | パロアルトネットワークス |
2 | アップラビン | モトローラ・ソリューションズ | KLAコーポレーション | ワークデイ | ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス | KLAコーポレーション | ケイデンス・デザイン・システムズ |
3 | モトローラ・ソリューションズ | ワークデイ | ネットイーズ | KLAコーポレーション | ハブスポット | モトローラ・ソリューションズ | オン・セミコンダクター |
4 | フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ | KLAコーポレーション | マーベル・テクノロジー | データドッグ | マーベルテクノロジー | ケイデンス・デザイン・システムズ | モトローラ・ソリューションズ |
5 | メルカドリブレ | データドッグ | データドッグ | モトローラ・ソリューションズ | KLAコーポレーション | ハブスポット | KLAコーポレーション |
6 | ダイナトレース | ハブスポット | ワークデイ | ハブスポット | メルカドリブレ | ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス | SBAコミュニケーションズ |
7 | アドバンテスト | パロアルト・ネットワークス | アリスタネットワークス | ネットイーズ | ワークデイ | メルカドリブレ | ビアビ・ソリューションズ |
8 | ケイデンス・デザイン・システムズ | ダイナトレース | メルカドリブレ | アディエン | ネットイーズ | ダイナトレース | ハブスポット |
9 | クラウドストライク・ホールディングス | ケイデンス・デザイン・システムズ | ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス | ダイナトレース | アディエン | ヴィーナステック・グループ | マーベル・テクノロジー |
10 | データドッグ | メルカドリブレ | ゼットスケーラー | パロアルト・ネットワークス | ケイデンス・デザイン・システムズ | インフィニオンテクノロジーズ | アトラシアン |
ネクストウィンの運用実績!Aコース(限定為替ヘッジ)とBコース(為替ヘッジなし)の比較でみえてくることとは?
それではここからが本題です。運用実績を見ていきましょう。ネクストウィンにはAコース(限定為替ヘッジ)、Bコース(為替ヘッジなし)の2つがあります。
Bコースの為替ヘッジなしは2022年以降はかなり円安が進んでしまっているので、下落幅は縮小されています。
円安で為替による利益が+35%あるにも関わらず、2022年は-37%程度となりました。銘柄選定に明らかに問題があります。
基準価額は一応まだ20547円です。2020年の異次元バブルを経て、残ったリターンは100%程度となっており2021年以降から投資をしてしまった人は確実にマイナスです。
というか、後述するAコースのリターンを見ていただければわかりますが、このリターンは全て円安によるものです。
Aコース限定ヘッジのリターンは以下の通りです。こちらが本来のファンドの実力を表します。
当然ですが、2022年は-47%となっており、設定来も一時マイナスとなりました。2020年の2月から運用ですので、バブル相場ど真ん中を経てこの結果です。
明らかにストックピッキングに失敗しているように思います。基準価額は13000円ですから設定来+30%ほどです。
円安がないと、3年間で年率5%程度でやはりインデックスに負けてしまいます。一度大幅下落してしまうと、取り返すのに何年もかかるのですよね。ファンド選びには下落耐性の強さが重要なのです。
米国を代表する株価指数であるS&P500と比較すると以下の通りです。
青:ネクストウィン(H無し)
赤:S&P500 (円建)
円安の影響を考慮しない、H無しのネクストウィンと、円建てのS&P500の比較でも、やはり負けています。ベンチマークとなる株価指数を下回ってしまっています。
基本的にアクティブファンドを選ぶ上で、10年スパンの実績を見てファンドの実力を測るべきだと筆者は考えています。
ネクストウィンに関しては4年ほどしかありませんがあまり今後も見込めないような気がします。重要な今後の見通しについては最後にお伝えします。
また、やはり下落耐性の強いファンドを選ぶべきです。ヘッジファンドなどは、どんな局面でもリターンを狙っていく絶対収益型ですので、このような暴落を回避できるファンドが多々存在します。
【2024年版】国内優良ヘッジファンドをおすすめ順にランキングにして紹介!
ネクストウィンの掲示板での口コミや評判
以下は掲示板での口コミや評判です。
買ってしまったことに対する後悔の声が聞こえます。
Yahoo finance:
2025年以降の今後年の見通しは明るい?
今後の展望が重要です。テクノロジー関連株の動向は、ナスダック総合指数の値動きにほぼ連動しています。つまり、ナスダック総合指数の見通しがそのままこの分野の株式市場の指標となります。
ナスダック総合指数は、米国の主要なハイテク企業を多く含む指数で、金融政策の影響を強く受けます。ハイテク株は将来の利益成長を織り込んで評価されるため、金利動向が直接的に株価を左右します。金利が上がれば割引率が高まり、企業価値は下がります。
2024年11月現在、米国の表面的なインフレは落ち着いていますが、基調的には高水準を維持しています。
また、2025年1月にトランプ政権が発足すれば、インフレ圧力が再燃すると予想されています。これを受け、すでに金利は上昇傾向にあり、インフレ再加速が高い確率で起きると見られます。
金利が急騰すれば、グロース株にとって厳しい展開となる可能性が高く、市場は慎重な対応を迫られる局面です。
また、現在はFRBは利下げを行なっていますが、歴史的にも最初の利下げから数ヶ月後に景気後退入りし、株価が大幅下落してきています。
今からリスクの高いテクノロジー一本のnextWinを買うのは、少し危なすぎる橋かと思います、
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